Endless SHOCK2017 その②-2

♬すきすきすきすきすきすき~、と一休さんの主題歌のような気持ちで昼の部を見終わった私であったが、

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一転、夜の部は少し違うスイッチが入った観劇となった。

 ※以下、私的解釈となります。完全にネタばれしておりますのでご注意ください。

 

 

 

世の中すべての物事に、光があれば必ず影がある。

「Endless SHOCK」も華やかな舞台とそのバックステージの物語。

 

 0番の孤独

大階段を下りてきた光一の「EndlessSHOCKの世界へご案内します」、という挨拶が終わると、美波里オーナーが登場。

さあ、コウイチカンパニーのショーの始まりだ。

最初のフライング。

まだ暗闇の空中でロープを掴みスタンバイOK、ショーの始まりとスポットライトを息をひそめている待つコウイチの影をみつけた。

ショーが始まればライトがあたり、舞台に降り立てばカンパニーの仲間がいるはずだけど、あの場所ではひとりぼっちだった。

 

千穐楽の翌日、ブロードウィの街で休日を楽しむカンパニー。

パーカッショニストの路上ライブに盛り上がり、皆が次々と引き込まれ大きなダンスの輪ができる。

しかし、コウイチはその輪には入らない。

少し離れたところから皆を見つめ、彼と一緒にショーをやりたいと考える。

 

 コウイチの孤独が見え隠れする。

 

センターに立つもの、0番に立つものは前に誰もいない。

振り返れば仲間はいるが、前には誰もいない。

カンパニーを背負い、良いものを作らなければいけない責任感。

意思の疎通も思うようにはできない焦燥感。

自分で意識していないところにある孤独。

それが思いもよらぬ暴走を招く。

 

Japanesqueの狂気

15分にも及ぶ殺陣の最後、アクシデントにより使うことになった予備の刀は、真剣にすり替えられていた。

そのアクシデントを乗り越えるためコウイチが選んだ道は、コウイチと殺陣で相対するヤラに真剣を使わせること。

「show must go on」

何があってもショーは続けなくてはいけない。

そのために本物の刀で殺陣を続けることにしたコウイチは、刀で切られ階段を落ち、奈落に沈んでいく。

「show must go on」のはずが、それに囚われるあまり、冷静さと大切なものを見失ってしまった。

 

何を怖気図いているんだ?

さあ、本物の刀を取れ!その刀で俺を切れ!!

 

そんな狂気に取りつかれてしまったコウイチ。

 

死んでもかまわない。

むしろ、ステージ上で死んで本望。

コウイチの真理はここにある。

 

 

コウイチと光一

コウイチは光一のアイデンティティの中から生まれた。

そのコウイチを光一が演ずる。

 

だから、0番の孤独を感じ、Japanesqueの狂気を心の深層に隠しているのは堂本光一自身ではないだろうか、という不安が私の心に過ってしまう。

 このリアルとバーチャルの境界の曖昧さが迷宮となって、私はそこから抜け出せない。

 

 

 

メビウスの輪の中にいるような感覚で観劇できて、また一層「EndlessSHOCK」の魅力に気付いた一夜であった。

来週もう1度観劇の機会がある。そのときはどんな気持ちになるのか、楽しみで仕方ない!